2015年11月30日月曜日

ご報告 美術館前にて署名集め


11月29日、閉館まで64日、美術館前にて署名集めとチラシ配りをしました。

展示の鑑賞のついでということで、一人で30分間のみでしたが、
13人の方が署名してくださいました。

写真を熱心に撮影されている方、京都造形芸術大学のゼミでいらしたというマダム、建築学科の学生さんなど、美術に詳しい方が遠方からも鎌倉館に来ている雰囲気が、先週よりも強まっている気がしました。

そのせいか、声をかけたかたは半数は署名してくださり、お話した内容も「鎌倉館の立地の素晴らしさ、ハレの葉山館とケの鎌倉館」「文化に予算をつかうということ」「美術館として収益をもっとあげる努力とは」など、こちらが勉強になることばかりでした。

写真を撮ってくださった建築学科の学生さんは、5月の署名にも参加されたそうで「2回書いても大丈夫ですか?」と言ってくださり、この署名との違いとこれまでの経緯をご説明しました。

署名のあとは、のぼりをたたんで、棒は長いので美術館に預かっていただき、展示をじっくり鑑賞し、喫茶室でお茶もして、充実した時間を過ごしてきました。ミュージアムショップに売られていた、鎌倉館旧館の模型を自分でつくることができるペーパークラフトが素敵でした。










twitter ハッシュタグ #鎌近 で鎌倉館へのメッセージを送れます

きのう美術館に行ったら、「twitterハッシュタグ #鎌近 をつけて、鎌倉館へのメッセージをツイートしてください。みなさまの投稿を心よりお待ちしております。」という掲示がされていました。お持ち帰り用の名刺サイズのカードも。

美術館への声を可視化できるすてきな試みだと感じました。

この問題にご関心をおもちの、twitter ご利用の皆さま、
ぜひ鎌倉館へのメッセージ、つぶやいてみてください。

*ハッシュタグは、タグを検索することで、誰でもメッセージを読むことができるしくみです。タグの付け方は、メッセージ文を書いたあと、半角でスーペスをあけて、半角で「#」を入力、つづけて「鎌近」を入力、です。

ちなみに、鎌近のこす会のtwitterもありますので、こちらもぜひご覧ください。
@KamakinNokosu


2015年11月27日金曜日

第6回プチシンポジウム「どうする?どうなる?鎌倉近代美術館」(12月13日)

 鎌倉近代美術館閉館に対する勉強会と反対運動という両輪が回る「鎌近のこす会」のプチシンポジウム6回目です。
署名運動が実際に活発に行われています。その報告もありますが、勉強会の側面が重視されます。
皆様ふるって御参加下さい。
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日時:2015年12月13日(日)13-16時
場所:ゆるこや JR大船駅より 徒歩12分。
神奈川県鎌倉市大船5-3-8 0467-45-4671
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一九五一年に、日本で初の公立近代美術館として生まれた神奈川県立近代美術館鎌倉館(通称・鎌近)が、二〇一六年三月に閉館します。今日、世界的に評価の高い建物だけ残そうという声をよく聞きますが「公立の美術館としての現状を維持すべきだ」という意見は出ません。契約満了ならしかたがないというあきらめがあるのでしょうか。
確かに神奈川県は50年前の契約により、鎌近を壊して更地にした土地を鶴岡八幡宮に返還しなければなりません。すると、全ての判断は鶴岡八幡宮にあると思われますが、実は神奈川県は財政難を理由に美術館、図書館を含む文化施設の大半を手放そうとしています。
つまり、神奈川県は契約を理由に自らの愚行を隠蔽していると解釈できるのです。坂倉準三は美術館として機能するように、建物を設計しました。例えばプールはプールであって、プールを食堂にすることは出来ないのです。鎌近は公立の美術館でなければなりません。
今日、美術と関係のない暮らしをしている方々にとって美術は「高尚」だと敬遠され、美術に深く携わる人々は美術の自律性を求める為「政治」との関わりを厭います。しかし美術も政治も人間の営みとして考えると同じことであり、我々が生きることに不可欠なのです。
鎌近の建設当初の理念は、民主的な日本の美術を世界に発信し、世界の美術を日本で受信することにあったので、「鎌倉」という地域を限定することはありませんでした。つまり日本の民主主義の宝を鎌倉が保持し、世界に発信していると言い換えることができるのです。
この問題について皆様が意見を発言し、交換する場を設けました。活発な交流をしましょう。
(宮田徹也)
▼ゲスト
古澤潤(ふるさわ・じゅん/一九三一年~)武蔵野美術学校卒業。日本アンデパンダン展、ヨコスカ平和美術展、イギリス・ミルトンキーンズ市で作品展示。主として個展で発表し続けている。
首藤教之(しゅとう・のりゆき/一九三二年~)1950年代後半に岡本太郎・武満徹・花田清輝ら主宰の「現代芸術の会」の活動に参加。1995年以後、福岡空襲をテーマにした焼夷弾のインスタレーション作品を各地で展示。個展、グループ展多数。
山野辺明(やまのべ・あきら/一九四五年~)福島生れ。18年間神奈川県の歴史編纂事業で県内各地を調査。教育・文化行政に永年従事。ヨコスカ平和美術展発起人。
宮田徹也(みやた・てつや/一九七〇年~)横浜国立大学大学院修了。岡倉覚三、宮川寅雄、針生一郎を経て敗戦後日本前衛美術に到達。ダンス、舞踏、音楽、デザイン、映像、文学、哲学、批評、研究、思想を交錯しながら文化の【現在】を探る。
▼鎌近のこす会とは?
私が週刊新聞新かながわで神奈川臨調の問題を掘り下げていた際に、浅賀さん、古澤さん、首藤さんと何か出来ないかと会は発足しました。私達の立場は当然、鎌近を公立美術館として残し、新館を補修して坂倉準三が設計したとおりの姿に拡充すべきだと思っています。廃館が決定されているとしても、市民、県民、国民の声によって覆せばいいのです。
それは私達の発想であり、単に残す/残さないという答えを出すので
はなく、様々な方々の、様々な意見を民主的に交換したいのです。ですので「美術館に行ったことがない」「美術に興味がない」「税金の無駄遣いだ」という意見も尊重します。二ヶ月に一度ずつ行ないます。どなたでもお気軽にお越し下さい。(宮田徹也)
▼これまでのプチシンポジウムの内容ダイジェスト
part1報告:四〇人近い方々が参加しました。首藤さんが画家として「人に何かを伝えたい」と口火を切り、山野辺さんが鎌近設立当初の理念を解説し、古澤さんが一九五六年当時の画家達の苦悩を語り、会場からは建築の立場、開かれた会の方法論、出席して美術館に行きたくなった等、様々な発言が飛び出しました(きのおうち ゆるこや/二〇一五年二月二二日)。
part2報告:第一回に引続きナビゲーター四者が話をしました。私は県と鶴岡八幡宮の土地借地契約終了に伴い神奈川県立近代美術館鎌倉館が消滅することよりも、県財緊急財政対策によって別館と葉山館に「集約」されて美術館活動面積が減ることを危惧しました。画家の古澤潤さんは、美術館が公立であるのなら作品を見せて「貰う」のではなく市民は作品を共有すべきだと提案します。美術館とは、動員人数や売り上げで地方自治体が「評価」するものではない。市民の側から美術館像を形成しなければならないと指摘しました。県の歴史編纂事業を行なった山野辺明さんは、建物をコンペティションで決めたのは当時画期的で、民主主義の始まりであると再評価します。建設した五〇年ごろとは今のように深く岩盤に基礎を打ち込むことはなく、国史跡の土地を掘れない法律がなかったことを説明します。坂倉の設計に県が口を出せず、大理石を活用した建築の美しさを説きました。画家の首藤教之さんは、美術家は自己の制作、生活に追われ、美術館とは遠い存在であることを明かします。美術館が単なるゼネコンに過ぎないのではないかと、絶望もします。江ノ島の女性センターの跡地をカジノにすればいいと本気で考える人がいる話を引き合いにだし、美術館に多くの人々が関心を持つ事を願います。
part3報告:第三回「鎌近のこす会」が、六月二八日(日)、鎌倉・きのおうちゆるこやで開催されました。県の歴史編纂事業を行なった山野辺明さんは、神奈川県立近代美術館の九〇年代から今日までの動向を客観的に説明しました。画家の古澤潤さんは、自己の戦争体験と今日の現状が重なることを指摘し、文化芸術懇話会の失言を見過ごしてはならないことを強調しました。画家の首藤教之さんは、閉館後の美術館は市民の意識を大切にすべきなので、運営者は市民との対話を大切の場をつくるべきだと指摘しました。「鎌近のこす会」は「美術館とは、美術とは何か」と「鎌倉近代美術館の機能を残す」という二つのことを議論しており「機能を残す」ことについて具体的なプランを立てるべきだ、鎌倉に美術館があることすら知らない人がいるのでもっとアピールをすべきだなど、会場からの多くの意見が寄せられました。確かに県の予算計画を考えると今年の九月までにはどうにかしなければなりません。しかし神奈川臨調の方針がこれから更に縛りを厳しくすれば、別館も葉山館も、かながわ女性センターのように廃止の方向へむかいます。完全に美術館が消滅しないための闘いは始まったばかりなのだと私は自覚しました。
part4報告:降り頻る小雨の中、国会で12万人のデモが開催されている同じ時間に、大船・ゆるこやで第四回「「鎌倉近代美術館がなくなる」ことはどういうことか」(主催:鎌近のこす会)が開催されました。
県議会議員の大山奈々子さんが、現在の政治の状況、神奈川臨調の対象である各施設の動きなどを細かく説明しました。県民に断りなく閉館にする暴挙にどう立ち向かうか、美術館とは何を生み出すのか、潰すことは何を意味するのかという議論に敏感に反応しました。
元県職員の山野辺明さんは先日鎌近に訪れ、学生はいたが外国人が少なかったことを報告しました。鎌倉駅に鎌近のポスターはなく、マスコミの反応がないので県民ですらも美術館に対する意識が向かないことを指摘しました。
美術家の古澤潤さんは美術館の所蔵品に注目し、ヒューマニズムの傑作という国民の財産である美術の力を信じ、もっと強気に運動を推進すべきだと発言しました。作品があり、展覧会がなければ美術館の意義は生まれてこないのです。
参院選神奈川選挙区候補の浅賀由香さんは、自らの育児体験を語ります。幼稚園に入ると、「上手な」絵の見本を子どもたちが「なぞる」そうです。この頃から「考えない」教育が施されていくことに危惧をします。
美術家の首藤教之さんも浅賀さんの発言に同調し、世間のどの現場でも「考える」人が「鬱陶しい」扱いをされ、「従う」人間が形成されている状況に苦言を呈します。美術館閉館問題は、考えれば考えるほど、複雑であることが明らかになっていくのです。
会場からも多くの発言がありました。美術家は世の中で何があろうと作品を作り続けるので運動はしない、美術館の企画とやる気が甘い、鎌倉に美術館があるのが当たり前であるという教養の高さを示すべき、美術とは良し悪し、好き嫌いも自由に議論できる場である、もっと情報化社会の性質を上手く利用すべきだと、熱の籠った議論となりました。
part5報告:「鎌近のこす会」五回目を数え、パネラーがナビゲートするシンポジウム形式から、参加者が積極的に発言する討論の場に大きく変化しました(10月18日/きのおうちゆるこや・大船)。鎌倉だけではなく横須賀、足柄などの県内からアーティストや美術愛好者、果てはゆるこやを通りかかった人が足を止めて参加しました。
今回の大きな収穫は、どこにも所属することなくたった三人で美術館存続の署名活動を行った一人、藤本美津子さんの報告でした。様々な障害を乗り越え、紆余曲折を経て署名運動に至った過程は、神奈川県立近代美術館閉館反対運動を行う上で、とても参考になりました。百人いれば百の意見があり、それぞれの意見を尊重することも大切ですが、まずは自分たちの主張を強く持たなければならないことを確信したのです。
美術館に人が集まらなくとも、国民は金を使ってでも優れた作品を見たいという欲を持っている、デモを見ていると60年代と比べて日本人が持つ政治に対する意識の変化を感じる、怪しい民主主義がやっていけなくなっている、そもそも民主主義は多数決の決議であるから、民主主義自体をもっと懐疑してもいいのかも知れない、公立とは何か、社会の営みとは何かと目まぐるしく論点が変化し、開かれた議論が実現しました。
今回の「鎌近のこす会」でも、個々の意見は全く異なる見解でしたが、「鎌倉の美術館を残そう、決定した事項であったとしてもこの意思を貫き、多くの人に伝えよう」という主張は一貫しました。
美術や美術館に詳しくなくとも、いま、ここに生きる者であれば、自由に自己の意見を発言する権利があるのです。
以上です。

2015年11月25日水曜日

鎌倉館のことがよくわかる、レポート記事のご紹介


神奈川県の文化芸術を発信するサイト「マグカルネット」に、
『さようなら、鎌倉館 ー「鎌倉からはじまった。1951-2016」レポート』
という記事が掲載されています。

世界的な建築家 板倉準三の代表作として鎌倉館が紹介され、写真も豊富です。
鎌近のこす会のフィールドワークで見学した時に解説いただいたポイントもたくさん紹介されていて、実際に見にいくことができない方に、おすすめの記事です。
美術館主催の関連イベントの紹介もあります。

県議会への署名、プリントアウトできます

鎌近の閉館まで68日。

のこす会では、「近代美術館の役割」「美術品が存在する意義」「美とはなにか」など解決しない山積みの問題について考えること+県に対して美術館廃止に反対する運動、という両輪を大切に活動してきました。

このたび、迫る閉館のタイムリミットを前に、12月の県議会にてこの問題についてとりあげてもらうため、署名を集める活動を行なうこととし、これまで3回、美術館前にて「本当になくしてよいのでしょうか?」という問いかけのチラシ配布や署名集めをしてきました。

1建物の保存だけではなく、美術館として運営していただきたい
2そのために県と八幡宮で協議をしていただきたい
という内容です。

署名用紙は、全国のセブンイレブンにてプリントアウトすることができます。
(有効期限12月2日、使用方法は店舗にてご確認ください)

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チラシ「本当になくしてよいのでしょうか?どうする?鎌倉近代美術館」
説明と署名用紙の郵送先など。
プリント予約番号 84244842

署名用紙
プリント予約番号 61121522
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11月末までに、記載の連絡先までお送りいただければ、
こちらで集めているものと合わせて県議会にお届けします。

神奈川県以外にお住まいの方からも、署名たくさんいただいています。

この問題にご関心のあるみなさま、周囲の方と「鎌近」について話すきっかけとしても、ぜひご利用ください。

*鎌近(かまきん)は、鶴岡八幡宮の境内に建つ、神奈川県立美術館の鎌倉館のこと。長年地元で親しまれてきた愛称です。署名でも、地域に親しまれてきた「鎌倉近代美術館」の愛称を使用しています。議会に提出する際には、正式名称になおしたものをお持ちする予定です。

2015年11月24日火曜日

NHK日曜美術館で「さようなら 神奈川県立近代美術館 鎌倉」


NHK-Eテレ「日曜美術館」で、
「さようなら 神奈川県立近代美術館 鎌倉」放送されるそうです。
12月13日(日)午前9時から9時45分に放映。
再放送は12月20日(日)午後8時から8時45分。  
http://www.nhk.or.jp/nichibi/index.html …


こちらは、23日までおこなわれていた、ライトアップの様子です。
公式twitterから

鎌倉ご在住の加田務さまより(FBグループにご投稿いただきました)





【ご報告】
11月22日(日)、美術館前での、3回目の署名集め、終わりました。

先日東大にて開催された、文化資源学会の公開フォーラムでお会いした方が署名を自転車で届けてくださったり、署名を持ち帰ってくださる方もいらっしゃり。

「美術館がなくなるなんておかしいよね」「なんでなの?」「知らなかった、知らないでそんなこと決まったら困りますよね」「予算がないのにどうするの?」などなど、みなさんとのお話の内容も深くなっています。
反応の変化を実感しました!
美術館入り口には「終了まであと71日」。
もういちど鎌倉からはじめよう!






2015年11月15日日曜日

これまでの活動のダイジェスト

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 鎌近のこす会は、「美術館のこそう!」という共通の思いをもつ、さまざまな立場・考えの個人が集う場です。これまでもさまざまな発信や問いかけ、活動が行われてきました。
このまとめは、この会の多様で自由な活動の経緯を、より多くの方にお伝えするために、
 これまでのフェイスブックグループの投稿などを、作成者個人の観点から編集してまとめたものです。
 (記事作成:栩山由美)
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「鎌近のこす会」の、これまでの活動ダイジェストです。
これまで、
▼「どうする?どう考える?鎌倉近代美術館プチシンポジウム」の開催(2月~現在も継続中)
▼県議議会議員・候補の皆さんへの、公開アンケートの実施(2015年4月)
▼鎌倉近代美術館フィールドワークの開催(2014年4月、8月)
などの取り組みをしています。
また、これまでの経緯や問題点が分かる記事についも、一覧を作成しました。
 詳しくは、以下をご覧ください。
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▼「どうする?どう考える?鎌倉近代美術館プチシンポジウム」の開催

美術館の存続という観点だけでなく、美術とは何かという視点から、
美と民主主義のつながりについて、評論家や作家のみなさんと一般市民も一緒に、話し考える場。
誰もが自由に発言できる場。
★第1回(2015年2月)
建物は存続という報道がありましたが、まだ正確なことは不確かなようです。
「県から八幡様に譲渡されるんじゃ…?」「美術館機能はどうなるの…?」などの疑問も上がっています。
そこで、このたび建物は存続の方向に動き始めた鎌近について、プチシンポジウムを開くことにしました。
昨年秋の鎌近残す会「フィールドワーク」で、案内をしてくださった日本美術会の元代表、首藤教之さんをはじめ、画家の古澤潤さん、近代美術館の元職員、山野辺明さんなどをお迎えし、
公立美術館の歴史と役割、鎌倉近代美術館をもっと素敵な場所にしていくために、いまどんなことが大切かなどを語るシンポジウムにしたいと思っています。
https://www.facebook.com/groups/kamakin/1605278003040363/
part1報告:
四〇人近い方々が参加しました。首藤さんが画家として「人に何かを伝えたい」と口火を切り、山野辺さんが鎌近設立当初の理念を解説し、古澤さんが一九五六年当時の画家達の苦悩を語り、会場からは建築の立場、開かれた会の方法論、出席して美術館に行きたくなった等、様々な発言が飛び出しました
https://www.facebook.com/groups/kamakin/permalink/1612032955698201/
★第2回(4月)「鎌倉近代美術館がなくなる」とはどういうことか
フライヤー(チラシ)
https://www.facebook.com/groups/kamakin/permalink/1631308427103987/
当日の内容を動画でご覧になれます。参加できない方も、ぜひ、みていただきたい!
https://www.facebook.com/groups/kamakin/permalink/1635977186637111/
報告の記事(新かながわ2310号 4/26)
https://www.facebook.com/groups/kamakin/permalink/1639813296253500/
part2報告:
第一回に引続きナビゲーター四者が話をしました。私は県と鶴岡八幡宮の土地借地契約終了に伴い神奈川県立近代美術館鎌倉館が消滅することよりも、県財緊急財政対策によって別館と葉山館に「集約」されて美術館活動面積が減ることを危惧しました。画家の古澤潤さんは、美術館が公立であるのなら作品を見せて「貰う」のではなく市民は作品を共有すべきだと提案します。美術館とは、動員人数や売り上げで地方自治体が「評価」するものではない。市民の側から美術館像を形成しなければならないと指摘しました。県の歴史編纂事業を行なった山野辺明さんは、建物をコンペティションで決めたのは当時画期的で、民主主義の始まりであると再評価します。建設した五〇年ごろとは今のように深く岩盤に基礎を打ち込むことはなく、国史跡の土地を掘れない法律がなかったことを説明します。坂倉の設計に県が口を出せず、大理石を活用した建築の美しさを説きました。画家の首藤教之さんは、美術家は自己の制作、生活に追われ、美術館とは遠い存在であることを明かします。美術館が単なるゼネコンに過ぎないのではないかと、絶望もします。江ノ島の女性センターの跡地をカジノにすればいいと本気で考える人がいる話を引き合いにだし、美術館に多くの人々が関心を持つ事を願います。
★第3回(6月)
https://www.facebook.com/events/669795569831171/
part3報告:
県の歴史編纂事業を行なった山野辺明さんは、神奈川県立近代美術館の九〇年代から今日までの動向を客観的に説明しました。画家の古澤潤さんは、自己の戦争体験と今日の現状が重なることを指摘し、文化芸術懇話会の失言を見過ごしてはならないことを強調しました。画家の首藤教之さんは、閉館後の美術館は市民の意識を大切にすべきなので、運営者は市民との対話を大切の場をつくるべきだと指摘しました。「鎌近のこす会」は「美術館とは、美術とは何か」と「鎌倉近代美術館の機能を残す」という二つのことを議論しており「機能を残す」ことについて具体的なプランを立てるべきだ、鎌倉に美術館があることすら知らない人がいるのでもっとアピールをすべきだなど、会場からの多くの意見が寄せられました。確かに県の予算計画を考えると今年の九月までにはどうにかしなければなりません。しかし神奈川臨調の方針がこれから更に縛りを厳しくすれば、別館も葉山館も、かながわ女性センターのように廃止の方向へむかいます。完全に美術館が消滅しないための闘いは始まったばかりなのだと私は自覚しました。
★第4回(8月)
活動の問題点を整理して、請願や陳情で引き続きこまめに県に対して発言すること、一方では美術などについてみんなと話したいという要求も大切にしてこれからの企画を考えてゆくことに。
part4報告:
降り頻る小雨の中、国会で12万人のデモが開催されている同じ時間に、大船・ゆるこやで第四回「「鎌倉近代美術館がなくなる」ことはどういうことか」(主催:鎌近のこす会)が開催されました。
県議会議員の大山奈々子さんが、現在の政治の状況、神奈川臨調の対象である各施設の動きなどを細かく説明しました。県民に断りなく閉館にする暴挙にどう立ち向かうか、美術館とは何を生み出すのか、潰すことは何を意味するのかという議論に敏感に反応しました。
元県職員の山野辺明さんは先日鎌近に訪れ、学生はいたが外国人が少なかったことを報告しました。鎌倉駅に鎌近のポスターはなく、マスコミの反応がないので県民ですらも美術館に対する意識が向かないことを指摘しました。
美術家の古澤潤さんは美術館の所蔵品に注目し、ヒューマニズムの傑作という国民の財産である美術の力を信じ、もっと強気に運動を推進すべきだと発言しました。作品があり、展覧会がなければ美術館の意義は生まれてこないのです。
参院選神奈川選挙区候補の浅賀由香さんは、自らの育児体験を語ります。幼稚園に入ると、「上手な」絵の見本を子どもたちが「なぞる」そうです。この頃から「考えない」教育が施されていくことに危惧をします。
美術家の首藤教之さんも浅賀さんの発言に同調し、世間のどの現場でも「考える」人が「鬱陶しい」扱いをされ、「従う」人間が形成されている状況に苦言を呈します。美術館閉館問題は、考えれば考えるほど、複雑であることが明らかになっていくのです。
会場からも多くの発言がありました。美術家は世の中で何があろうと作品を作り続けるので運動はしない、美術館の企画とやる気が甘い、鎌倉に美術館があるのが当たり前であるという教養の高さを示すべき、美術とは良し悪し、好き嫌いも自由に議論できる場である、もっと情報化社会の性質を上手く利用すべきだと、熱の籠った議論となりました。
★第5回(10月)
3月に閉館という時間的なリミットもあり、県議会で問題をとりあげてもらうためには、もっと多くの人に問題を知らせることが必要。また今美術館で展示を見ている人も廃止の問題を知らないことも多いため、会として陳情文章をつくり、美術館来場者に問題について説明したり署名の存在をしらせる活動もすることに。
https://www.facebook.com/events/1709193515970392/
part5報告:
「鎌近のこす会」五回目を数え、パネラーがナビゲートするシンポジウム形式から、参加者が積極的に発言する討論の場に大きく変化しました。鎌倉だけではなく横須賀、足柄などの県内からアーティストや美術愛好者、果てはゆるこやを通りかかった人が足を止めて参加しました。
今回の大きな収穫は、どこにも所属することなくたった三人で美術館存続の署名活動を行った一人、藤本美津子さんの報告でした。様々な障害を乗り越え、紆余曲折を経て署名運動に至った過程は、神奈川県立近代美術館閉館反対運動を行う上で、とても参考になりました。百人いれば百の意見があり、それぞれの意見を尊重することも大切ですが、まずは自分たちの主張を強く持たなければならないことを確信したのです。
美術館に人が集まらなくとも、国民は金を使ってでも優れた作品を見たいという欲を持っている、デモを見ていると60年代と比べて日本人が持つ政治に対する意識の変化を感じる、怪しい民主主義がやっていけなくなっている、そもそも民主主義は多数決の決議であるから、民主主義自体をもっと懐疑してもいいのかも知れない、公立とは何か、社会の営みとは何かと目まぐるしく論点が変化し、開かれた議論が実現しました。
今回の「鎌近のこす会」でも、個々の意見は全く異なる見解でしたが、「鎌倉の美術館を残そう、決定した事項であったとしてもこの意思を貫き、多くの人に伝えよう」という主張は一貫しました。
美術や美術館に詳しくなくとも、いま、ここに生きる者であれば、自由に自己の意見を発言する権利があるのです。
次回、12月13日に開催予定。
http://kamakin.blogspot.jp/2015/11/1213.html

▼県議議会議員・候補の皆さんへの、公開アンケートの実施(2015年4月)

4月の県議会議員選挙に合わせて、公開アンケートを作成、実施しました。
 アンケート項目は、以下の2点。
 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
1.美術館の役割りとは何だと思いますか?
2.本館が廃止になる理由をご存知でしょうか。        はい    いいえ
ご存知の方はその理由を以下に記してください。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 20人(自民2人、民主1人、維新3人、共産10人、ネット1人、無所属3人)から、回答をいただき内容を公開しました。
回答など詳細については、
http://kamakin.blogspot.jp/2015/04/27-28-1951-4-2-kamakin0467gmail.html

▼鎌倉近代美術館フィールドワークの開催(2014年、2回)

鎌倉駅から美術館までを散策し、美術館の建築・展示を鑑賞したあと、カフェでお茶やごはんを食べながら、感想を話したり、歴史と美術、美術館問題について学びました。
3月20日は12名の参加。美術評論家、宮田徹也さんによる解説。
8月30日は10名以上の参加。日本美術会元会長の首藤教之さんによる解説。
https://www.facebook.com/groups/kamakin/permalink/1536434806591350/
参加者の感想(新かながわ第2262号)
https://www.facebook.com/groups/kamakin/permalink/1715147265386769/

▼これまでの経緯や問題点が分かる記事など

美術評論家の宮田さんが、県の美術館廃館方針をうけて、2013年5月に開催したイベント
この問題に対する宮田さんのお考えがよくわかります
「芸術と神奈川臨調問題が呼吸する(東邦画廊5月27日編)」
https://www.facebook.com/events/136882683164088/permalink/141697919349231/
「神奈川県立近代美術館鎌倉館、耐震補強し建物存続へ」産経ニュース2015年1月24日付
https://www.facebook.com/groups/kamakin/permalink/1600365600198270/
5月に鎌倉市在住の方などが署名を立ち上げ、それに賛同する有志がこのFBページを作成
その際のグループの説明記事
https://www.facebook.com/groups/kamakin/permalink/1489747841260047/
6月に署名が県に提出されたことを知らせる記事
https://www.facebook.com/groups/kamakin/permalink/1517041275197370/
 鎌近のこす会の山野辺明さんのインタビュー
週間新聞新かながわ2314号(2015年6月7日)
「鎌近のこす会」のナビゲータ、ヨコスカ平和記念展発起人、山野辺明さん
暗中模索の中で築いた土方定一に思いをはせる
 https://www.facebook.com/groups/kamakin/permalink/1658069914427838/
加藤なを子県議インタビュー「廃止・集約撤回の声をあげよう」
新かながわ第2317号2015年6月28日
美術館を所管する県生涯学習課へのヒアリング報告もあり
https://www.facebook.com/photo.php?fbid=1002966789738301&set=a.233715963330058.68992.100000749673916&type=3&permPage=1
検証_神奈川県立近代美術館鎌倉本館廃止に対する報道の問題点について(上)_新かながわ第2317号2015年6月28日
 https://www.facebook.com/groups/kamakin/permalink/1665940210307475/
「あさか由香のかながわ探訪 神奈川近代美術館 鎌倉館」(新かながわ2332号)を引用、メンバーの高野さんが美術館問題について考える視点について書かれた記事
https://www.facebook.com/groups/kamakin/permalink/1705242776377218/

栩山由美「私たちの祈りについて」(新かながわ2339号)
https://www.facebook.com/groups/kamakin/permalink/1723023061265856/
以上。