2015年12月31日木曜日

ご報告:県議会に提出した陳情についての審議と採択がおこなわれました

ご協力いただいた「県立鎌倉近代美術館の存続を求めることについての陳情」は601名の方々が提出者となり、県議会12月議会に提出しました。
12月17日に文教常任委員会で審議され、結果は残念ながら「了承」(1名の議員が「了承」)となりましたが、このプロセスを経ることで、閉館の問題について多くの方にお伝えすることができ、議会にも疑問の声をしっかりと伝え、記録にも残ったことに、意味があったと考えています。

また、陳情の内容について、委員のみなさまに直接口頭で説明させてもらえる「口頭陳情」もしてきました。
提出した陳情の説明として、以下5点を説明し、
ー美術館としての運営の継続
ー県と八幡宮の協議と、その内容の公開
をお願いしてきました。
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1▼取り壊し予定の旧館が、新館とあわせて世界的に評価されているモダニズム建築であること
(FBで寄せていただいた11月のライトアップの写真と、ミュージアムショップで買ったポストカードを、議員さんにおみせしました)
2▼鎌倉館は日本初の「公立」美術館で、「誰かが決めた美しいものをみせてもらう」から「何が美しいかはひとりひとりが決める」という発想の転換があったこと。
ユネスコの憲章前文「戦争は人の心の中で生まれるものであるから、人の心に平和の砦を築かなくてはならない」の思想を受けつぎ、人間の尊厳をふみにじるような戦争のあとで、平和の砦を築く手段として鎌倉に美術館をつくろうという、高い志のあらわれで、歴史的な宝。
3▼県民にとどまらず、全国の美術愛好家や観光で訪れる方にも親しまれてきた施設。署名の際も、京都造形芸術大学のゼミでわざわざいらした方、建築家の学生さんも熱心に写真を撮影、神奈川県なぜこんな貴重な美術館を閉館するの?という声。
神奈川県が推進するマグカル事業(*)の趣旨にも、ぴったり合致する美術館。
(*神奈川の文化そのものがマグネットとなって、人をひきつけ、街に魅力と賑わいをもたらすマグネットカルチャー(マグカル)事業/HPより引用)
4▼まだこの閉館問題について県民によく知られていないこと。「えー、閉館しちゃうの?」との声たくさん。これで決めてよいのか
5▼文化や芸術の成果は、人の心に培われるもので、数値では測ることのできないもの。一時的な経済理由での廃館は、将来への大きな損失であること。
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委員の皆さまに、美しい鎌倉館の写真をお見せすることができて、よかったです。

また、傍聴にも独特のルールがあり、
*10時までに陳情の申込が必要
*委員会の休会?中は、再開時間不明のため、各自携帯番号を伝えて待機(4時間以上待ちました!)
*陳情の採択(了承か、不了承か)部分しか傍聴することができないので、委員さんの考えをよく知ることが難しい
など、実際に体験してわかることも多かったです。

今後は、これまでに取り組んできた方々を含め、どのように働きかけ取り組んでいくか、模索していく必要があると感じているところです。今後ともどうぞよろしくお願い致します。



2015年12月13日日曜日

うれしいご報告/館長水沢さんトークイベントなどお写真


きのう、のこす会のツイッター宛に、
館長の水沢さんのトークのご様子をおさめた美しい写真をお送りくださった方がいらっしゃいました。

みなさんとのシェアをお願いしましたら、実名での共有を快くご承諾いただきました!
とても励みになるできごとでした。
下田さま、ありがとうございました。

ここに掲載した2枚は、トークの様子。

他の美しい写真は、下のリンクから、ご覧いただけます。

ぜひ、美しい鎌倉館の様子を、ご一緒に。

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下田 浩誉さまより。

アルバム「さよなら神奈川県立近代美術館 鎌倉館」
「鎌倉からはじまった。1951-2016 PART3」展、館長の水沢勉さんによるトークとともに。


2015年12月11日金曜日

知識をふかめるシリーズ2:「神奈川臨調を考えるー芸術を生み、育む側から」

鎌近のこす会は、知ること・考えることと反対運動の両輪を大切にしています。

今回ご紹介するのは、連載「神奈川臨調を考える」です。
代表の美術評論家・宮田徹也さんが2012年からこの問題について取材をつづけて書かれた連載のひとつです。
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『オピニオン 神奈川臨調を考えるー芸術を生み、育む側から』新かながわ社、2013年4月

「道切り開いた鎌倉近代美術館 青木茂」同新聞2186号、2012年10月7日
「理念に立ち返るべきだ 藤嶋俊會」同新聞2192号、2012年11月4日
「文化は長い目で考える/美術館は鑑賞眼が育つ場 森田彩子/稲木秀臣」同新聞2202号、2013年1月6日
「文化が経済を創造する フランシス真悟」同新聞2205号、2013年2月3日
「人間にパワーを与えるのが芸術 中村英樹」、同新聞2209号、2013年3月3日
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ネット上でのみなさまとの共有を快くお許しくださった、新かながわの編集長瀬谷様、本当にありがとうございます。

「鎌倉近代美術館がなくなるとはどういうことなのか」を、まずはひとりひとりが考える。そしてひとりひとりができることを積み重ねていく。
芸術の力が確かに存在するように、鎌倉館を美術館として残す未来をつくりだす力が、私たちにはあるのではないでしょうか。
皆さんとご一緒に、鎌倉近代美術館が、美術館として残り続ける未来をつくりたいです。











2015年12月8日火曜日

【知識をふかめるシリーズ:連載「公立美術館とは何か」1−7】


鎌近のこす会は、知ること・考えることと反対運動の両輪を大切にしています。

今回ご紹介するのは、連載「公立美術館とは何か」です。
代表の美術評論家・宮田徹也さんが2012年からこの問題について取材をつづけて書かれた連載のひとつです。
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連載「公立美術館とは何かー戦後美術の変容」

1日本美術思想史研究 宮田徹也         新かながわ2259号
2美術批評 平井亮一              同新聞2262号、2014年4月27日
3美術史家 足立元               同新聞2266号、2014年6月1日
4日本美術界 首藤教之             同新聞2270号、2014年7月6日
5美術家・パフォーマンスアーティスト 丸山常生 同新聞2274号、2014年8月3日
6画廊主 中岡吉典               同新聞2278号、2014年9月7日
7東京都庭園美術館館長 井関正昭        同新聞2282号、2014年10月5日
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ネット上でのみなさまとの共有を快くお許しくださった、掲載媒体である新かながわの編集長瀬谷様、ありがとうございました!

「鎌倉近代美術館がなくなるとはどういうことなのか」をひとりひとりが考えて、ひとりひとりができることを積み重ねていくことで、鎌倉館が美術館として残る未来をつくりだしたいです。








2015年12月5日土曜日

12月12日(土)鎌倉館館長の水沢勉さんのトークが開催されるそうです


公式ツイッターからの情報です。

12月12日(土)14時から
当日の観覧券があれば、申込は不要で参加できるそうです。


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@KanagawaMoMA: 【鎌倉館展覧会活動終了まで60日】

「鎌倉からはじまった。1951-2016 PART3」展では、
館長の水沢勉によるトークを
12月12日(土)午後2時から開催。
申込不要、参加無料。ただし展覧会の当日観覧券が必要です。
#鎌近

以上です。

12月4日集まった署名を、県議会に提出してきました!

10月のシンポジウムで決まった「建物の保存ではなく、美術館として存続を」の署名活動ですが、
11月には美術館前での署名活動や、それぞれが個別に働きかけもしまして、
12月4日に県議会に提出することができました。

今回の署名は、「陳情」という形式のもの。
一人一枚という形を発案してくださるメンバーがいらっしゃり、
紙のボリュームがすごいです!まずは持ち寄った署名を合わせて、準備。



議会事務局に、提出にいきます。


ご担当の方に、皆さまへのご報告のために撮影のお願いをしました。


陳情の内容について、メンバーの高野さんがポイントを説明します。
全部で601名分です。


このあと、陳情がどのように議会の中の委員会で取り扱われるのかについて、
説明を聞きました。


14日の文教委員会にて、内容が配布され会派に持ち帰っての検討があり、17日に採決。
了承/不了承という採決がされ、議員さんのうち、
どなたが了承したのか/しなかったのか、は傍聴できるそうです。
その結果が、議会の本会議に、報告されます。


結論がでない場合は、継続審議となるというお話もありました。
その場合は3月の委員会にて再びとり上げられます。
(陳情について詳しくは、文末の参考リンクをご覧ください)


続いて、今回の陳情が採決される、文教委員会の委員となっている議員の皆さんを訪問。
こ陳情を提出したことをお伝えし、内容についても説明させていただきます。



写真撮影を許可してくださった議員さんはおふたりでした。
(議員さんがご不在の場合は、事務の方にお渡ししました)

民主党の早稲田夕季議員は、鎌倉市ご在住。
日本共産党の大山奈々子議員。早い時期からこの問題に取り組んでいらっしゃいます。


議員さんによって、この問題について何がポイントなのか/考える視点なども違うので、
そのお考えをうかがいながら、こちらの考えもお伝えしました。

とにかく、重大な問題なので、焦って今結論をだすのではなく、
鎌倉に近代美術館があることの意味について充分に議論してほしいと
いうことについては、特にお伝えできたのではないかと思います。

文教委員会での審議は12月14日と17日。採決は17日です。
傍聴希望の方は、10時までに議会にいけば可能とのこと。
(定員は16名、人数が多い場合は抽選)
議事録ができるまでには3ヶ月くらいかかるというお話もありました。


というわけで、無事に署名も提出したので、お昼を食べて解散。
次は、13日のプチシンポジウム@大船です。

横浜は、銀杏がとってもきれいでした。




















*参考リンク
神奈川県議会 請願・陳情
http://www.pref.kanagawa.jp/cnt/gikai/p80218.html